リボンの騎士
今日から9月。
まだまだ暑い日が続いてはいるものの、朝晩は涼しく半袖では肌寒ささえ感じるこの頃。
夏の終わりを感じ、いささか寂しさを感じるのは僕だけなのだろうか。
季節の節目を迎えるにあたり、一つの季節が終わっていく、この「一抹の寂しさ」を感じるのって、春夏秋冬で夏だけではないか!?そんなことにふと気付く。
冬の終わりは、寒い寒い冬が終わり、ようやく温かい春を迎えらえれる。動植物の息吹を感じられるし、春を迎えられることに喜びを感じる。
春の終わりは、これから暑い暑い夏がやって来ることに、若干の憂鬱さを感じながらも、花火大会や盆踊りお祭り、BBQとか夏の甲子園などなど、イベント盛りだくさん!僕のように夏を満喫できない人間でも(笑)、なんとなく夏がやってくることにウキウキ感を覚えるのだ。
秋の終わりは、寒い寒い冬がやって来ることに身が引き締まる思いをする。そこに「一抹の寂しさ」を感じている余裕みたいなものがない気がする。すぐあとには、せわしい年末が迫ってきていることも手伝っているのだろう。
夏の終わりは、次の季節への心の準備みたいな気構えが必要ないし、夏の想い出に浸れる時間的&気持ち的な余裕もあるのだろうか。暑さが和らぎ空が遠くなって秋の空を感じながら、スズムシの鳴き声を聞き...人間の感性に寂しさを訴えかける要因も多いのだろう。
そんな夏の終わり。
毎年の記憶が残りやすいのも夏の終わり。
過去の夏の出来事が、自分史を刻む ”年輪” の役割も果たしてくれる。
今年は令和最初の夏だったわけですが、平成時代に、印象深く忘れられない夏の想い出
がある。。。
そんな話でもしてみることにしよう。
福島に在住していた頃の話だ。
「風俗に一緒に行かないか?」
男なら、そんな誘いを受けたことがあるかもしれない。あって当然だ。
職場とか友人とかからね。
こんなとき、僕はいつも返事はNOである。
風俗デビュー。
いいかもしれない。
でもなんとなく、、、
「それって、いつでもできるよね。」
と考えてしまう。
だから、いつでも断固拒否!みたいな(笑)
ところが、人生でたった一度だけ、「この際、後学のためにも一度行ってみるか??」と、その気になったことがあったのだ。
それが福島在住の時だった。
当時、社宅みたいなところで、みんなで身を寄せ合って生きていた。
そう。「生活」とか「ルームシェア」みたいなオシャレ感一切ゼロの空間(笑)
毎日ひたすら耐えてます!みたいな状況だった。
だから、「生きていた」という言葉がぴったり一致するのだ。
そんな、追い詰められた環境の中みんなで生きていると、不思議と『連帯感』というものが湧いてくる。
もはや『家族』の一員みたいな、、、感覚麻痺ってやつ!? (^-^;
総勢50名ほどで、部屋ごとに7~8名ほどに分かれ、合計六部屋あった。
各部屋の年齢層は、20代前半~30代前半。
一番年下と一番年上だと、約10歳の歳の開きがあった。
僕は、所属する部屋の年長者であった。
一番年少の子とは、9歳離れていた。
それだけ歳が離れていると、なんというか、弟分みたいになってくる。
他の室員とは、また違った感情で接したくもなってくる。
特別可愛がりたくもなってくる・・・
そんな折。
この社宅には細々としたルールがあったりでけっこう面倒だったが、一番厳しかったルールはなんといっても ”社宅からの外出&外泊禁止令” である。
よっぽど、やむを得ない事情がない限り、外の世界には出られないのだ。
みんな、それを承知の上、社宅に入ったのだが、いざ社宅での生きる格闘劇が始まると音を上げ始める。
半年間という期間限定ではあるけど、その半年は一年以上の長さにも感じてくる。
外の世界に憧れる。戻りたい戻りたいと・・・
今まで、自分が生きていた世界なのにね(笑)
そんな可哀想な子羊たちが、唯一、外の世界に戻れる日があった。
それが真夏のお盆休みの期間。
こんな状況下から、解放される日が来たならば・・・
ハメを外したくはなりませんか?
人間の自然の感情として。
「今まで頑張ってきた自分にご褒美♪」とばかりに。
何か、記念や想い出に残ることでもしておこうかと。
そんな気持ちになるのが、人としての当たり前の感情だとは思いませんか?
さて。ここまで読んでくれた方なら、もう察しがつくだろう。
そうです。
まさに、「風俗デビュー」するなら、このタイミングなんです!(笑)
絶好の機会だと考えて、何も不思議はないんです。
風俗にお盆休みも年末年始もない。悲しいかな、人間の性欲は365日。
で、実際に実行に移すことを決断した男がいた。
それが同じ室員で一番年下の、、、そう、弟分なのであった!
「兄さん、一緒に行こう」
僕は、迷った。
迷うに迷った。
で結局、断った。
断ってしまった。。。
たぶん、僕の人生で、風俗デビューを果たさなかったことをこんなにも後悔することは、金輪際ないだろうなぁ。
弟分の彼が風俗デューを果たしている頃、僕はと言えば・・・
峠を攻めていた。
当時は、『ホンダのインテグラ』というマニュアルのスポーツカーを乗っていた。
久しぶりに福島から関東圏に帰って来た僕は、神奈川の想い出の地であるヤビツ峠を、無性に走りたくなった。
学生時代、卒業間際に、友達を連れて訪れたこともあったなぁ・・・
「あの一つ一つの光に、それぞれの人生があって・・・俺という人間はここにいて。。。俺は何をやっているのだろうか。
でも。それでも。あいつと俺とは違う。これが俺という人間なんだ!
強がりでも、なんでも、これがカッコいいと思ってる馬鹿で愚かな人間なんだ!」
ふと、『リボンの騎士』のことが思い出された。手塚治虫のアニメ。
神様の間違いで、女の子の体に男の子の魂が入って...という話。
ともすると、わたくしはこのリボンの騎士の逆バージョンなの??
なんだか、言葉まで女の子っぽくなってきちゃうわ♡
そんな、夏の日の忘れられない想い出。