文豪たちは今日も生きている~何でもないはずの日常に潜むレトリック~

30代後半ともなると、日常で降りかかるあらゆる出来事に関心を示せない自分がそこにはいた。「こういう時にはこうやって対処すれば良かったよね。」いつの間にか、ステレオタイプ化された自分。。。そんな ”ありふれた日常” にも、本当は潜んでいるはずの非日常を探しに・・・

天空の花嫁

「こんなとき、アイツだったらどうするんだろう・・・」

 

三十代になってから、そんなことをよく思うようになった。

自分の判断に迷いが生じたときや、自分の決断に自信が持てないとき等、そんな風に考える "心の習慣" があるのだ。

 

 

三十代になってから、自分がRPGゲーム(ロールプレイングゲーム)の主人公のような感覚になるときがある。

ドラゴンクエストファイナルファンタジーといった、冒険物語の主人公である。

つまり、自分という存在を客観的に見ていて、この姿・形をした人間を自分の意思で操作しているというか・・・

 

自分の意思決定で人生が決まるって、なんだか当たり前の話なんだけど。。。

二十代の頃までと違い、自分の人生でさえ、どこか客観的に見ている自分が存在するようになり、「人生なんて、なるようにしかならない」と開き直っている部分があるのだ。

 

自分が、どんなに「頑張ってこうしたい」と思っても、世の中ままならないことがあるんだなぁって。

 

 

こんな風に言ってしまうと、「三十代の若者が世の中を分かっちゃったような気になって」とツッコミを入れられそうだけどね(笑)

 

だから。

僕は、自分の思い通りにならない我が人生を、出来る限り悩んで悩んで悩みぬいて、後になって後悔が残らないように、そのとき自分に出来ることを全力で行動するようにしている。。。

 

 

 

ゲームの世界だって。

悩むことはある。

 

先述した、『ドラゴンクエスト』。

RPGではあまりにも有名で、実際にプレイしたことがない方でも名前ぐらいは聞いたことがあるはずだ。

 

Ⅰ~Ⅲは、"ロト・シリーズ" と言われ、伝説の勇者が誕生するまでのストーリーと、後世の勇者の血筋の王子が伝説の武器防具を探して活躍するストーリーである。

 

そして。

Ⅳ~Ⅵは、"天空・シリーズ" と言われ、ジブリの『天空の城ラピュタ』のようなお城をめぐってのストーリーとでも言えばよいか...

だいぶ、はしょった説明だが(笑)

その天空シリーズの中でも、名作と言われたゲームがあった。

 

それが、Ⅴの "天空の花嫁" というゲームである。

 

 

どんな点が名作だったかと言えば、戦っているモンスターが戦闘後に仲間になることがあったり、主人公が幼少期の時から冒険が始まり成人期を経て冒険を進めていく等...それまでのドラクエ史上では考えられなかったような斬新的な工夫がいくつか加わった点が挙げられる。

 

中でも!一番面白かった工夫点は・・・

"自分のお嫁さんを選ぶ場面"

というのがある。

 

二人のうち、どちらか一人を選ばなければならない。

現実世界だったら、なんとも羨ましいシチュエーションだ(笑)

一人は、大富豪の娘。主人公が街の悩み事を解決に導いたことで大富豪に気に入られ、娘の婿さんになって欲しいとお願いされる展開に。

ちょうど同時期に、もう一人のマドンナと出逢う主人公。

そのもう一人は、幼少期の頃の幼馴染。冒険を共にしていたが、事件が起こって離れ離れに。大人になって、まさかの再会。

 

さて、みなさんなら、どちらの子と結婚しますか?

 

たったこれだけの情報では、選択のしようがないだろうけど。

でも、なんとなく、"幼少期の頃の幼馴染" 。

この子と結婚すれば、ドラマチックだし、その後の冒険も楽しくなりそうな...

そんな予感めいたものを感じませんか??

 

 

あくまで、このドラクエというゲームの世界なんだけど、ゲーム制作者もそこらへんをしっかり考えてストーリーを作っていたと思う。

 

大富豪の娘さんと結婚すると、、、

その後の冒険前半では、冒険をかなり『楽に優位に』進めていけた。

父親からお金の支援や武器防具をプレゼントしてもらえたり...

さらに、嫁さんが強力な攻撃魔法を早い段階で覚えてくれたり...

ただし!

主人公の息子が伝説の勇者に育ったとき、自分の戦闘指示(作戦命令)をまったく聞いてもらえず、息子自身の判断で(コンピュータの自動モード)で戦闘してしまうのだっ!娘もいるけど、娘も一緒!!

子どもが二人して、"不良息子と不良娘" に育ってしまうのだ(笑)

 

 幼馴染と結婚すると、、、

その後の冒険前半では、なんにもメリットがない。

大富豪の娘さんとの結婚生活から考えたら、苦労の連続です(泣)

でも!

主人公の息子が伝説の勇者に育ったとき、自分の戦闘指示を聞いてくれるので、ボスキャラのような大掛かりな戦闘シーンでは、父親と息子と娘の三人で力を合わせて戦うことができるのだぁ!! "チーム力" で戦えることの素晴らしさに感動です(笑)

 

この辺のゲーム制作者の仕掛けは、本当にお見事なもんだと、子ども心にも思ったのを覚えてる。。。

 

 

 

何で、こんな話をしたのかって!?

 

婚活

最近、また始めた僕なんです。

でも、早くも悩みだした僕なんです。

 

横浜に住んでたときも婚活したことあって。

めでたくカップリングしたまでは良かったんだけど。

まったくお互いの性格とか、何にも知らない状態から知り合って親しくなっていくのって、大変だった。

 

結局、ちょっとしたことがきっかけで別れることに。

"絆" みたいな強さが足りなかったのかな。

 

 

婚活とか街コンとかを否定したいわけではない。

誰だって、恋愛結婚とかは憧れる部分はある。

でも、社内恋愛できない環境だったら、そんなこと言ったってしょうがないから、婚活とか街コンとかで頑張るしかない状況の時だってあるし。

 

 

でもね。

今の自分、実は、職場で気になっている子というのが存在する。

大変有難いことであるのは言うまでもない。

 

「付き合えるかどうかも分からないし、、、とりあえず婚活とか人の紹介は受けておこう」

「もし付き合うことができても、上手くいかなかったら気まずいし・・・」

 

そんなことを考えて、半ば保険的な感覚で始めた婚活だったんだけどね。

この考え方ってどうなんだろうって。

 

 

仮に。

婚活等で、素敵な子と巡り合い、順調に上手くいって、結婚まで漕ぎつけたとして。

 

でも、その時になって、すごく後悔することにはならないだろうか?

「気になっていたあの子を追い駆けていたら、どんな人生になっていたんだろう」って。。。

 

せっかく同じ職場で気になっている子がいるのだったら、自分が納得のいくまで追い駆けてみても良いのではないだろうか??

 

 

もし。

そのことによって、時間的な浪費とかエネルギー消費とかあって、それでも結果的に付き合うことができなかったり付き合ったのに上手くいかなかったとしても。

 

自分の実になること

あとに残るもの

ってのが存在する気がするのだ。

 

 

もっと言い換えると。

『結婚すること』が目的ではないはずだ。

そこを履き違えてはならないと思う。

 

「この子と、より長い時間一緒にいたいな♪」

そんな、純粋な想いの延長線上に結婚があるというわけであって。自論ですが。

 

だから仮に、その子のことを追い駆けて、結果的に結婚まで至らず、さらには僕自身は婚期を逃し生涯独身で過ごすことになっても。

それぐらいの覚悟と冒険心を持って社内恋愛すること自体に、本来の人生の意味があるのだと感じるのだ。。。

 

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「こんなとき、アイツだったらどうするんだろう・・・」

 

自分の将来の伴侶となるかもしれない "天空の花嫁" は、他の誰でもない、自分の意思で決められたらと思う。