文豪たちは今日も生きている~何でもないはずの日常に潜むレトリック~

30代後半ともなると、日常で降りかかるあらゆる出来事に関心を示せない自分がそこにはいた。「こういう時にはこうやって対処すれば良かったよね。」いつの間にか、ステレオタイプ化された自分。。。そんな ”ありふれた日常” にも、本当は潜んでいるはずの非日常を探しに・・・

"ギリギリ運" に恵まれた男

占い。

突然ですが、皆さんはどれぐらい信じていますか?

 

 

僕は占いというものを、個人的には "そこそこ" 信じている方なのだ。

信じている身から言わせてもらえれば、占いは『統計学』なので。

ただやみくもに、根拠もなく、運気が良いだの悪いだの言ってるわけではなさそうなのである。

はるか太古の、紀元前とかから、主に東洋で栄えた学問だと聞いたことがある・・・それが本当なら、 "人類の財産" とも言い換えることができるかもしれない。

 

 

さて。

占いで、恋愛運や金運、仕事運などなど、メジャーな運気というものがある。

こういった、誰しもが気にする運気というのは、もちろん僕だって気にはなる。

でもこれらは、占いのアプリやテレビのおまけ占いのような「浅い運気の話」に思えてしまうのだ...

 

もっと、占い本とか占い師が占うような「本格占い」の方が、僕は気になっている。

お酒の話に置き換えて恐縮だが、甲類乙類の大量に入っている焼酎なんかを飲むよりは、「本格焼酎」と呼ばれる芋とか麦とかのちゃんとしたお酒を飲んで酔っ払った方が、気持ちが良い♪というのと似ているのだぁ!

この気持ち、分かってもらえます??(笑)

 

とにかく!

僕が言いたかったのは、人の運気というものは奥が深く、恋愛仕事金・・・諸々以外の、一見すれば他人からは理解されないような運気というものの存在を感じることがあるのだ。。。

 

 

 

『ギリギリ運』

と、僕は称している。

 

ギリギリ間に合う。

そんなイメージです。

 

日常生活の小さなことから、人生という大局的な見地に立ったときも。

 

そんな運気に恵まれているかも。。。

 

 

もちろん、全てのことで間に合ったぁ~とはならない。

そこまでいったら、神ですよ。

でも、間に合わなかったら間に合わなかったで、『次に生かすための努力は惜しまない』とは言えるかもしれない。負けず嫌いなので(笑)

 

たぶん、このギリギリ運というのは、本人が意識しなかったら分からない運気なのかもしれない。

ただ僕は、その場っ限りで「ラッキー☆間に合ったぁ~」では終わらせない性格なんです。

「なんでギリギリになっちゃったんだろう」って、あとになっても悩んでいる(笑)

 

 

具体的な話を避けてきましたが、ここで一つだけ、聞いてもらいたい話がある。

 

 

「記録的な大型台風」

今まさに、関東・東海地方に接近している最中。

 

最近の台風は、どうやら温暖化の影響もあってか、大型の台風ばかり。

そのため、「記録的な大型」という言葉にも、「なんだ、またなの?」という反応になってしまっている自分がいる。

 

でも!

今まさに接近中の台風19号。

今回ばかりは、本当に「記録的」という言葉が相応しいぐらいの、大型な印象を受ける。ニュースを見ていて。

「人生に一度、経験するかしないかの台風」って文言は、凄まじい破壊力があるよね(^-^;

 

だから、万一のため、停電とか断水とかが起きた時のための備えをした人は多いはずだ。

食料の確保、スマホ充電とか・・・

 

 

僕は、会社には車通勤なので、ガソリンの給油。

これも必須事項だ。

停電時には、スマホ充電器にもなるし、エアコン暖房付きだから暑さ寒さもしのげる。

 

一昨日の木曜日。

給油メーターを見ると、半分以上あった。まだ余裕。

だから、台風が上陸すると言われている土曜日の前日である金曜日に、給油メーターが半分近くまでに下がるようなら入れようかな、あと入れるタイミングは仕事終わりの金曜夜遅くならすいているだろうし、、、ぐらいに安易に考えてしまった僕だったのだ。

 

これがマズかった。

 

金曜の日中、仕事の最中で目にしたのは、ガソリンスタンドに列をなす車車車。

「みんな考えることは同じだなぁ。まぁ、俺が遅番の仕事終わりに立ち寄る際には、すいてるだろうし。」なんて、のん気に構えていた。

 

 

いざ仕事が終わって、帰宅途中。

いつもの通勤道にあるガソスタは、まだ混みあっていた。

ここで、「あれ!?変だな」と気付きたかった。

夜遅くなのに、何故にまだ混んでいるのか...

 

家近くまで帰ってきて、すぐに分かることになる僕。

 

いつも給油するガソスタの、すぐ手前のガソスタも列をなして混んでいた。

ただ、この手前にあるガソスタは、安値のためいつもいつも混んでいるのだ。

そのため僕は、「混んでるガソスタがまだ営業してるんだし、、、すぐそばのいつものガソスタも営業中だろう。」と思った。

 

500メートルも離れていないいつものガソスタ近くまできて、異変に気付いた。

『レギュラー〇〇円/ℓ』の電光掲示板が点灯していない。つまり営業していない。

ガソスタ内を見ると、『売切』の看板が...

 

そうなのだ!

会社近くの通勤道のガソスタが夜遅くでも混んでいたのは、まだ売切れになっていないガソスタを求めて、ようやく漕ぎつけた車たちが列をなしていたのだった!!

 

そうと分かれば、今さっき通過してきた、いつも混んでる安値のガソスタで入れるしかない。

多少待っても、こういう非常事態では仕方がない。

腹をくくって待つしかない。

 

そう思い、すぐさま引き返すことに。

 

さて、このガソスタは、安値にも関わらず、セルフではなく今どき珍しい店員さんが給油してくれるガソスタ。

車を引き返し、ガソスタに右折進入しようとしたところ、たった今さっきまで車が列をなし営業していたのに、スタッフさんたちが入り口にロープを張り始めてるではありませんか!

僕は諦めず、様子をうかがいながら、入り口に接近しスタッフさんに声をかけた。

店員「すみません。たった今、機械の調子が悪くなってしまい。メンテナンスを始めますので。復旧に1時間ほどかかると思います。」

 

1時間は待てない。

そこで、このガソスタを諦め、家の市内の方にあるガソスタで給油することにした。

3か所廻って、3か所とも『売切』だった。。。

 

 

あの時、会社近くのガソスタで入れていれば。。。

そもそも!

前々日の、木曜夜に入れていれば良かったのだ!

会社で、"NO.2" と呼ばれている先輩は、自分が遅番であるため、金曜の日中に入れるのは不可能と見越し、木曜夜に入れたと言ってた。

やっぱり "NO.2" と呼ばれる男は違う。

それに比べて、俺は、、、甘いにもほどがある!しょせん、小物だよ俺は。

全然、見通しがなってなかった。というか、見通そうともしなかった。

お気楽人生。

アリとキリギリスで言えばキリギリス。

その場が良ければそれで良い。

た~だ、生きてる。

た~だ、呼吸をし、食べて寝る。

そんな繰り返しの人生。。。

もう、そろそろやめませんか。こんな人生。

いや、人生そのものをこの際やめませんか。台風が来る前に...

 

結果、そこまで落ち込みながらも、人生そのものはやめずにすんだ。

 

 

翌朝。

そこまで落ち込んだことはすっかり忘れ、停電や断水に備え準備した。

遅番明けだったので、起床時間も遅く、全ての準備を終えた頃には正午を回っていた。

 

ここで、昨晩の "給油事件" のことが気になった。

給油メーターによれば、まだガソリンは半分入っている。

緊急事態ではないが、満タンにできるならそれに越したことはない。

台風が本州に上陸予定時間は15時以降だから、まだ少し時間がある。

外を見ると、すでに雨は大雨だが、なるほど確かに風はまだ強くなさそうだ。

『暴風域』ではないのだ。冷静に判断できた。

 

ここで、僕はふと、店員さんの言葉が思い出された。

「機械の調子が・・・メンテナンスしたら・・・復旧・・・」

さすがに、もう復旧してるはず。

問題は売切れかどうか。

 

さて。こんな時に思い出されるのが、"ギリギリ運の強さ" なんです。

確かに、昨晩はギリギリ運を発揮できなかった。

でも、僕の言う "ギリギリ" にはまだほど遠い段階なのだ。

今日これから、もう一度給油しに行き、それでも給油できなかった時初めて、「俺のギリギリ運を発揮できなかったな。俺ももう落ち目だな。」となるだろう。

 

物は試し。

一か八か。

努力とかではない、完全に "運" だけを頼りに、行ってみますか。

 

 

でも僕は、最初からお目当てのガソスタに行かなかった。

家からはやや離れているため、できることなら家近くの市内のガソスタから回ることに。

3か所中2か所廻って営業していなかったので、残りの一か所には行かなかった。

潔く、いよいよお目当てのガソスタに車を走らせた。

 

ガソスタに限らず、飲食店やスーパーも休業していた。

コンビニだけは、どのコンビニも営業しているのに感動。

車はすでに、ほとんど走っていなかった。

 

僕は、オーディオでラジオや音楽は一切聞かず、フロントガラスにたたきつける雨粒が奏でる音を楽しんだ。

 

そして、、、

お目当てのガソスタに到着した。

近づいて、電光掲示板に『レギュラー〇〇円/ℓ』の文字が見えたぁ!

まだ営業中。

やはり、昨晩のあの店員さんは、誠意ある返答をしてくれていたのだった。

 

無事給油が終わり、給油してくれたスタッフさんに対して、僕は思わず

「いやぁ、まさか、まだ給油できると思わなかったです。本当に助かりました。」と声をかけると、

スタッフ「実は、もうじき売切れになりそうで、閉店です。運転手さん、運が良いですね!」

 

 

 

こうして、僕は、遺憾なくギリギリ運というものを発揮させてもらったようで。

 

ブログの更新にいそしんでいる今に至る、というわけです(笑)